■GOOD AQUA■

Rotala wallichii

ロターラ ワリッキー
(リスノシッポ)

 

<特徴>

 柔らかなイメージの繊細な葉と赤味を帯びる美しい色彩で昔から人気のある水草です。値段も高くなく流通量も多いために入手は容易ですが、育成は意外と難しいのではないでしょうか。

<用途>

 ほとんど横方向への生長がなく、縦に縦に伸びるため、レイアウトの区画からはみ出ることもほとんどありません。
 もちろんレイアウトに縦方向へのイメージを加えたい場合に使う水草のグループに入ると思いますが、バコパの仲間やミズニラ、アコルスといった直線的な葉をもつものとは違い、柔らかな葉で縦方向のイメージを演出できる点が特徴的だと言えるでしょう。
 同じようなイメージを出せるものに、ラージマヤカやキクモなどがありますが、赤い色はこのワリッキーぐらいしか無いと思います。そのため、昔からレイアウト作成のときに重宝されてきたのだと思います。

 レイアウトの中での具体的な使い方としては、他の緑色のフワフワした水草との組み合わせが綺麗です。ミリオフィラムの仲間やケヤリソウ、ラージマヤカなどを配置し、そこへワリッキーを植えると良いアクセントになります。
 ピンネイトなどで赤い色を補ったときは、その根元へ植えると全体としてまとまりがでます。赤系の水草は下の葉ほど赤い色が薄くなりがちです。かといって短く切ると綺麗な色になりません。その点、ワリッキーは短く切っても頂葉の色は同じなので、他の赤系の水草の根元をカバーするのに向いているのです。
 またこのような特徴があるため、ヨーロッパ風のレイアウトで、前景に短く植え込んでも美しく育ちます。このような使い方は他の赤系の水草では難しいです。

 他に、アヌビアスの仲間などを中心にしたレイアウトに植えても見映えがします。濃い緑色のゴワゴワした葉の中にまとめて数本植え込むと、ワリッキーがたいへん優雅に見えます。

 

<育成>

 東南アジア原産の水草とされていますが、育成のポイントは、南米の水草と同じ「低pH、低KH、高光量、豊富な溶存二酸化炭素」とされています。
 但し、この条件を整えさえすれば綺麗に育つのかと言えば、そうではないところがこの水草の難しいところであり、面白いところでもあります。

 水中の二酸化炭素(CO2)の量が少なく、pHが中性に近いと、全体の色が黄色っぽくなります。その時点で肥料の添加を止めると、先だけ栄養不足でピンク色になり、こんな姿に仕上がります。

 また、光量だけを絞り、肥料とCO2の量をベストに保つとこんな風に真赤になります。

 コツさえつかめば、様々に変化させられるところがこの水草の魅力の1つでしょう。

 一方、光量・栄養・二酸化炭素・水質をすべてベストに近づけていくと、ワリッキーはぐんぐん元気になります。最近はそのような育て方を目指すことが多いようですが、緑色が濃くなって茶色がかった大きな葉は、あまり綺麗でない気がします。
 もちろんこれは好みの問題でしょうが、やはりこの水草には柔らかで繊細な葉が似合っている、と思うのは私だけでしょうか。ちょっと肥料不足のときなんか、頂葉がとても綺麗だと思うんですけどねぇ・・・

 

02.09.03



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