■GOOD AQUA■

 

Ludwigia arcuata

ニードルリーフ ルドウィジア

 

<特徴>

 名前となっている、“arcuata”とは、「アーチ状の、弓のような形の」という意味です。ルドウィジアの仲間の中では、もっとも細く繊細な葉をもち、この葉がゆるいカーブを描くので、このような名前がついているのでしょう。

 頂葉を上から見ると、4つの葉が輪生し、緩やかにしなっているのが分かります。
 また、この草は、脇根を多く出す性質があります。
 光量を強くしたときには、特に頭を斜めに斜めに生長させていきます。そして、その傾斜がきつくなると、脇根をたくさん下に垂らします。

 逆に、光が少ない水槽の端などへ植えると、左の画像のように真っ直ぐに伸び上がろうとするので、脇根をあまり出しません。
 色は様々な条件で変化するので、一概には言えません。このへんのところは、経験を積んでひとつひとつ覚えるしかありません。
 たとえば左の画像の場合、底床に赤玉土を用いているので、光をあまり強くあてず、窒素を多く与え、pHを中性に近づけてやると綺麗な赤色になります。ここで、光だけを強くしてやると、黄色がかった山吹色の葉に変わります。
 いろいろ試してみるとおもしろいです。

 

<用途>

 「渋い色」と「繊細な葉」、そして「変化に富む」という特徴から、“名脇役”として活躍してくれる水草です。

 この草の場合、輪径が育成環境によって大きく変わります。したがって、用途に応じて、輪径を変え、レイアウトに用いることができます。
 たとえば、小さく育てたものは、小型水槽に用いると、レイアウトに渋い赤色を加えることができます。特にクリプトコリネを主体としたレイアウトを作るときには、「決してでしゃばらない赤」として貴重な存在です。
 一方、大きな輪径になるように育てたものは、葉幅もそれなりに広くなります。しかし大型水槽に用いた場合、草体の細さから、存在感が薄くなるのは否めません。したがって、大きな水槽の1区画をこの草で埋める場合には、10本、20本と、まとめて植えるか、ピンチカットを繰り返して脇芽を増やし、頂部をこんもりさせるようにします。
 但し、ピンチカットを繰り返した場合、茎の下部に房状の藻が着き易いのもこの草の特徴です。したがって、ピンチカットを繰り返すつもりなら、最初から他の草をこの草の下部を隠すように配置しておくのがコツです。

 そして、この草が便利なのは、主役の草を配置した後に、「ここになんか赤っぽい草を植えたいなァ」と思ったときです。決して主役を食うことなく、うまく隙間を埋めてくれます。

 他に、この草のレイアウトでの用い方で注意が必要なのは、2点です。
1.色が地味なので、明るい印象の水景で、前景に用いると違和感があります。後景に用いるようにしましょう。
2.あくまでも、レイアウトの「脇役」として使い易い草です。「主役」として用いるには、それなりのセンスが要求され、難しいです(挑戦してみると面白いです)。


水上葉

 

<育成>

・ 弱酸性〜弱アルカリ性の幅広い水質に適応します。

・ 光量は適当でOKです。
 「光量は強くないとダメ」というようなことをよく耳にしますが、そんなことはありません。「他の条件も最悪」というのでなければ、気にしなくて大丈夫です。水槽の前景の隅を埋めるのにも便利です。(こんな感じ。→)

・ソイル系でも大磯砂系でも綺麗に育てることができます。但し、大磯砂やセラミック系の砂だと脇根が出易い傾向にあります。

・ 肥料も適当でOKです。底床の中の窒素肥料が少ないのも、葉がピンクがかって綺麗です。

・ CO2は、強制添加しなくても大丈夫です。ただし、大磯砂&弱アルカリの水&GH高めという水槽で、魚が少ない=CO2が少ない、という悪条件がそろうと、うまく育ちません。そんなときには、CO2を少量添加した方が良いです(但し、KHが上昇するのでほどほどに)。
 条件の全部がそろうことのないようにだけは気をつけておけば、あとは適当な育成で育ちます。

 

 

 余談ですが、「ニードルリーフ ルドウィジア」は、「パールグラス」と並んで私の“お気に入り”の水草です。うちにある水槽のどれか一つに、いつも入っています。画像に用いた草は、買い直すことなく、もう10数年育てているものです。
 みな自分の気に入った草とは、長く付き合えるのではないでしょうか。

01.07.30



HOME
INDEX
BACK