■GOOD AQUA■

Hydrocotyle leucocephala

アマゾンチドメグサ

 

特徴> 

ご存知の通り、この草は底床中に根を張りません。根は葉の基部からでます。
 また、広範囲な水質に速やかに順応できるのがこの草の一番の長所です。CO2を特に添加する必要もありません。
 上の画像は添加していない水槽での葉姿です。

 弱酸性の水でCO2の添加を行っている水槽の場合、緑色が濃く大きい葉を展開します。また、適度なCO2の添加量なら、節間が間延びして見映えが悪くなることがなく、美しい姿を楽しめます。
 ただし、このような水槽では、生長が速いので頻繁なトリミングが要求されます。
 左の画像はCO2の添加を行っている時の姿です。

 低温に対しては辛抱が足りません。屋外の水槽に入れたまま冬を迎えると、枯れて溶けてしまうことがあります。ただし、部屋の中であれば、保温無しでの越冬も可能です。

 

<用途>

1.幅広い水質に速やかに適応して水中からのみ栄養を吸収する、という特長から、水質浄化の役割を期待できます。
 例えば、
(1)水槽セット初期 → 水面に浮かせておきます。
 照明器具直下に浮かんでいることで、盛んに光合成を行い、水中の余剰な栄養分を積極的に吸収してくれます。また、水槽内に過剰な光が届くのを適度に遮ってくれます。加えて、根につくことで活発に動ける状態になっている濾過バクテリアが、根についたまま水槽内に持ち込まれるので、濾過のはたらきが整うのを速めてくれます。そして、結果として、この3つのはたらきで、セット初期の藍藻や珪藻の発生を抑えてくれます。
(2)濾過器をつけない飼育 → 水面に浮かせたり、沈めておいたりします。
 稚魚が急に生まれたときは、その稚魚を隔離したプラケースなどには、なかなか濾過器はつけられないものです。そんなときにも、このアマゾンチドメグサを入れておくと、水質の悪化が抑えられます。成魚でも、室温で飼育可能な魚の場合、この草とマツモなどを入れたプラケースを用意すれば、特に濾過器をつけなくても飼育することが可能です。

2.レイアウト中での良いアクセントになります。
 丸い葉の明るい緑は、他の水草にはない独特の雰囲気を醸し出してくれます。
 赤系の草を多く配置したレイアウトの中では一際目を引きます。また、緑の多いレイアウトの中でも、その明るい色彩のために、他の緑の草の中に埋もれてしまうことがありません。
特に、濃い緑色の草を主体にレイアウトした場合、明るさを加えてくれる存在として重宝します。この場合、わざとらしくセンターに置いたとしても嫌味がでないので、とてもありがたい存在です(下の画像参照)。
 配置については、このように何本かをまとめてセンタープラントとして据えるのも良し、区画の一部にポイントとして入れ込むのも良し、また、水槽の後ろに見えるコーナーやパイプを隠すために使うのも良し、と様々な場面におくことができます。
 ただし、斜め方向に生長していくタイプですので、配置の際には、その点にだけは気をつけなければなりません。予め計算してこの草の影になるところにクリプトコリネやミクロソルムなどを配置できるようになれば、熟練者です。

 

<育成>

・ 弱酸性〜弱アルカリ性で、光量は適当でOKです。但し、あまり光量が少ないと、長期間では葉が徐々に矮小化し、やがて枯れてしまいます。

・ 土中に伸ばす根をもたない水草なので、私は、まとめて板鉛(釣具屋にあります)で束ねて沈めています。しかし、鉛が気になる場合は、底床を敷いた水槽で、底床にしっかり差し込むようにすれば、そんなに簡単には抜けません(=それほど浮力は大きくありません)。

・ 肥料などは、あまり気にしなくて大丈夫です。極端に偏った水質でなければ、どんな水質にも適応してくれる水草です。肥料をバランスよく与えていると、かえってトリミングの手間が面倒になるぐらいに生長します。

 

01.07.17



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