■GOOD AQUA■

Eusteralis stellata

オランダプラント

 

<特徴>

 水質の変化に敏感な草で、水槽の水を5分の1換えただけで、頂葉が縮れたり、茎の生長方向が変わったりします。そのため、この草をねじれさせたりせずに綺麗な姿に育て上げることができた時には、感慨ひとしおです。

「おい、この草、誰んだ?」

「おらんだ。」

 肥料(特に窒素分)を抑えると、このような紫がかった綺麗なピンク色に変化させることができます(2つ上の画像と同じ草です)。レイアウト全体のバランスからから配色を考え、色を決めることができるのもこの草の良いところです。

 

<用途と育成>

・ 弱酸性〜中性で、光量は適当でOK。強くすると葉の表と裏の色の差が増し、弱くすると細い葉になり繊細さが増します。好みでコントロールしましょう。

・ 炭酸硬度は4dHぐらい有った方がしっかりした草体になるのですが、そのような水質で育てていると、換水によって水質が大きく変動するので、頭があっちを向いたりこっちを向いたりして、ぐねぐね伸び上がった姿になります。
 それもまたそれで良いのですが、「なんとしてもまっすぐに育てたい」ということであれば、「ほとんど換水せずに済ませる」という育成方法がベストです。この草が30〜45センチ伸びるのには約30〜60日かかります。したがって、その間、まったく水換えをせずにすませれば、ぐねぐねしていない真っ直ぐな草体を拝めるわけです。
 そして、その次の換水の時には、この草も思い切って短くトリミングしてしまい、またそこから30〜60日間楽しめば良いわけです。こうすれば、いつも真っ直ぐな草体が見れます(前半は短い草しか見れませんが)。
 また、発想を転換して、「曲がった草体を楽しむ」というのも面白いと思います。

 


オランダプラントを後景に用いたレイアウトの例

・ CO2の要求量は多目なので、少し強制添加した方が良いでしょう。ただ、CO2を多く生産する底床をもっていれば、別に添加しなくても大丈夫です。

・ 頂葉が縮れてしまう場合、原因の主なところでは、1つは上でも述べた炭酸硬度の急変です。少しの変化なら茎が曲がるぐらいですが、その変化の幅が大きいと頂葉が縮れてつぶれてしまいます。
 また、根からの栄養の吸収が滞った時にも縮れます。トリミングで茎の根っこがついた部分を切り取ってしまうと、このような現象が起き易いです。つまり、茎の真ん中でちょん切って上半分を元の場所に差す「差し戻し」と呼ばれるトリミングを行ったときです。
 このような葉頂が縮れる危険を回避したい場合は、茎の途中をつまんでそのまま茎を切らずにその茎の中間点を底床に突っ込む「折り込み法」(←私が勝手に命名)をお勧めします。

・ この草は、育てている水槽によって、茎の太さがまったく違ってくる場合があります。これは、主に底床中の窒素の量に左右されてのことです。もちろん窒素が多い方が太くなる傾向にあり、窒素が少ない水槽では細い茎になりがちです(とりあえずC-N比率のこととかは無視してくださいね)。
 太い茎の草体は脇芽をたくさん出すことができるので、草の先をハサミで切り落としておくと、盛んに脇芽を出し、上部にいくほど草体が広がった豪華な感じに仕上げることができます。センタープラントとして据えるときなどには、こちらの方が見映えします。
 逆に、茎を細く育てると繊細で華奢な感じがでます。したがって、ヨーロッパ風の幾何学模様のレイアウトで、その1区画をオランダプラントで埋めようとするときなどには、細くする育成方法が合っています。

・ このオランダプラントは、茎の下部から細かい根をたくさん出しがちです。赤玉土のような柔らかい土を底床にしているときには比較的根の数は少ないですが、それでもやはり出します。したがって、その点は「この草は茎から根を出す草だ」と割り切ってレイアウトを考えた方が賢明だと思います。
 具体的には、レイアウトの中景から後景に位置するように植え、根が出てくる茎の下部が他の草で隠れるようにしてやります。こうすると、見苦しい脇根も目立たず、かつ、少しぐらい茎が曲がって育っても、美しい頭の部分だけが顔をのぞかせてくれるので、全体としてレイアウトが綺麗にまとまるはずです。

<トリミング>

・ 上述のように、オランダプラントは脇芽を盛んに出します。
 したがってトリミングの方法は、上半分ぐらいを切り取ってその部分を植え直しても良いのですが、上半分は捨ててしまって下半分を抜かずに残しておくのも良いです。そこから脇芽が出て再び生長します。
 ただし、この場合、残した下側にちゃんと葉が残っていなくてはなりません。ほとんど葉が残っていない場合はなかなか新芽が生えてきません。

・ 上半分を残して植え直すと、その植え直された上半分の個体は茎が太く育つ傾向にあります。逆に、下半分の方を残すと、そこから出てくる脇芽の茎は太くなりづらいです。新芽が同時にたくさん出るので、栄養を取り合ってしまうのが原因の1つのようです。

・ したがってトリミングは、「どのような草体に仕上げたいか」によって、その方法を変えなくてはいけません。

・ 「茎の太い個体を作りたい」 → 切ったところの上側を再び植える(=差し戻し法)。また窒素肥料を十分に与える。

・ 「茎の太さよりも繁った感じの演出が優先」 → 上半分を取り去って下半分を残す(=ピンチカット法)。そうすると脇芽がたくさん出てくるので豪華な感じに仕上がる。

・ 「頂葉に縮れを起こさせたくない」 → 茎の途中をつまんで、そのまま茎を切らずに底床の中にに突っ込む(=折り込み法)。

01.07.13
02.06.23トリミング方法を追記



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