■GOOD AQUA■

ヤナギスブタ

 

 日本(本州以南)にも自生しているので、自家採取で水槽に入れられることが多い水草です。田んぼや用水路などの、流れのごく緩やかな場所に生えています。

 「ブリクサ ジャポニカ(正しくは、ヤポニカ)」の名前で売られている草の中には、明らかに別の種類のものがあるので、購入にあたっては、よく確かめる必要があります。下の特徴を目印にして下さい。

 

<特徴>

 葉の長さは5センチ前後で、全体で20センチ以上の大きさになります。スブタやセトヤナギスブタと異なり、茎がよく伸張し、その茎の両側に葉が互生しています。また、茎はよく枝分かれします。見た目には、ヘテランテラの葉のつき方によく似ています。
 葉の縁には細かな鋸歯のようなギザギザがあり、透明感のある美しい葉です。

 レイアウトでは、明るい緑色が欲しい時に使えます。草体は20センチぐらいにはなるので、中景に用いることができます。
 また、前景の光が緩やかな部分に植えると、茎を匍匐させ気味に伸びるので、前景の影の部分に淡い色をもってきたいときに重宝します。

 

<育成>

 まず、水槽への導入時に注意すべきこととして、「水温」があります。日本では、初夏に急生長して真夏に花を咲かせる草です。したがって、高温にも強いのですが、いきなり大きな温度変化を与えると、葉の先から溶けるようにして枯れてしまいます。
 したがって、夏場、野外で採取してくるときは、その自生地での水温を必ずチェックしてきます。水温の低いところに生えていたのを、夏場温度が上がって30度以上になってしまっている水槽にいきなり入れると、かなりダメージを与えるになります。
 また、市販されているものには、見た目にはちょっと傷んでいるように見えても、実はもう内部は死んでいる、というような状態のものがあります。そういうものを購入してしまうと、水槽に入れたとたんに消えてしまいます。あやしいものは止めておきましょう。

 葉が柔らかいこともあって、魚やエビの食害に遭うことの多い草ですが、丈夫に育てることができていれば、そんなに心配することはありません。
 この草に限ったはなしではありませんが、「エビに食べられて枯れた」という場合、実は「上手に育てられないために弱って枯れ始めた。そして、そこをエビが食べた。」というのが真実であったりします。エビなどに食われる場合は、エビを責めるよりも、まず自分の育成方法を点検しましょう。

 ヤナギスブタは短期間で一気に生長するので、その栄養を不足することなく供給できる肥沃な土壌に植えてやる必要があります。「アクアプラントサンド」や「赤玉土」がお勧めです。大磯砂では、酸処理をしたものを使っても、なかなか難しいです。葉が黄色がかることが多いです。
 光は中光量〜高光量で、二酸化炭素の要求量は多いです。
 硬度の変化に敏感で、葉色が変化します。場合によっては紫がかった色になります。

 ごく緩やかな水流の、あるいは止水に近いところに生えている草です。したがって、大きい濾過器で水流が強い水槽では育てるのが難しいです。そのような水槽では、水槽の中で水の回り方が遅い地点を探して植えてやります。周りに葉が密につく水草を植えて流水が直接当らないようにしてやるのも有効です。

 水槽内で長期間育成していると生長が鈍ってくることがあります。そんなときは、一旦水槽から取り出して、湿ったソイルに植えた状態で「冬」を経験させてやり、再び水槽に戻すと復活します。期間は、本当の冬の期間と同じである必要はありません。もっと短くても大丈夫です。ポイントは、葉が水上に出るような状態で水温が一旦下がることだと思われます。

01.07.29

●上の写真はnobuhiroさんがご提供下さった写真です。ふつうは、なかなかこんなに綺麗に育てられません。

●ブリクサ(スブタ)の仲間の見分け方については、ぜひ、あげいんさんのサイトにある記事もご参照下さい。ここまできちんと整理された記事は、まず他では見つけられません。「必見」として、強くお勧めします。
あげいんのホームページ
の、 「Spot Light」の中に収められています。(“ブリクサの謎”)



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