濾材の選択と組み合わせ 00.12.07
<濾材の選択>
濾材の選択について、結論から言えば、
・水中に何かを溶け出させないものであれば何でも良い、
・溶け出させるものであっても、自分の思っている水質にしてくれるものなら何でも良い、といえます。
次に、今までに私が自分で試して、「使えた」ものを思いつくだけ挙げてみると、
・底床用の砂(昔の大磯砂など)
・砕いた素焼きの植木鉢
・ちぎったスポンジ(スポンジには、水にすぐに溶けるものもあるので注意!)
・古い蒲団に入っていた合成繊維の綿(たくさん入っているので使い放題!)
・切ってまとめた毛糸(溶けないもの)
・ちぎった合成繊維のYシャツ
・川原の砂
・園芸用の土(焼赤玉土・硬質日向土など)
水質を調整したいなら、
・各社から出ているソイル(酸性化)
・砕いた流木(酸性化)
・サンゴ砂(アルカリ化)
・ラーメン屋で使い終わった牛骨を干したもの(アルカリ化)
など、いろいろ使え、能力にも問題はありませんでした。
結局、濾材は、最初の2点さえ満たせば、そんなに拘る必要の無いものだと言えます。
ちなみに、水中に何かを放出するものは、意外にたくさん存在するので、注意が必要です。たとえば、ゼオライト。水中の有害なものを吸着してくれる優れものなので、15年ぐらい前に、熱帯魚の世界でも大ブームになりました。
しかーし、この物質、ある程度吸着したら、今度はそれを放出し始めるのです。したがって、その前に取り出して、食塩などでイオン交換して再生してやる必要があります。また、その再生したものを使うと、水草に悪影響を与えるナトリウムを放出します。
使い方によっては、とても便利なだけに、ショップに並んでいますが、その性質をよく知った上で使いましょう。詳しく解説しているホームページもあるので一度訪れるのもよいかもしれません。
とにかく、良い方向だろうが、悪い方向だろうが、「水質を変えるもの」には要注意です!
<濾材の選択と組み合わせ>
さて、具体的な選択ですが、
1.まずベースとなる濾材を選びます。ベースとなるものは、上で述べたように、水質に影響を与えないものを選びます。何かを吸着したり、水中に放出したりするものはお勧めしません。
1番良いのは、エーハイムの「エーハイサブストラット」です。但し、ちょっと高いです。
安く上げるなら、素焼きの植木鉢を細かく砕いたものを食酢に3日つけたあと水に3日つけてPHが上がらない事を確かめたものが代替品になります(PHが上がる素材を使っているものは、やめておく)。
「シポラックス」も良い商品ですが、使い始めに水の硬度を上げる傾向があるので、使用に当たっては、前もって、食酢で煮て(相当くさいです。家族とうまくいっていないかたは、やめた方がいいです)、そのまま自然冷却させ、よくすすいで使うと、ましになります。また、ソイルと組み合わせて使ってもいいです。
2.ベースと組み合わせる濾材を選ぶ
次に、ベースとなる濾材と組み合わせて使う濾材を選ぶわけですが、お勧めは、ADAのソイルか、本間商店のソイルです。
細かい目のネットに入れて使うと、程よくPHと硬度を下げてくれます。ただし、ソイルは粒が崩れるので、あまり濾材をいじらないで維持することが前提になります。もちろん、底床にソイルをセットする場合には、濾過に入れる必要はありません。その分、サブストラットを増やします。
加えて、必ず化繊の綿(ワタ)もセットします。フィルターメーカーの純正パッドである必要はありません。古い蒲団の中身でも、手芸屋さんで売っているものでもOKです。ただし、あくまでも化繊のものに限ります。間違っても木綿や羊毛のものを入れてはいけません。ワタが腐ります。
このワタを入れておけば、適度に目が詰まって、嫌気濾過も行われ易くなります。また、ソイルの粉や水槽中の懸濁物も、これで漉し取れます。
ただし、このワタは、あまり厚くしないことです。自然な状態で、厚さが2.5センチもあれば十分です。それ以上厚いと、すぐ目が詰まり過ぎになり、掃除を頻繁にしなければならなくなります。
掃除をすると、微生物の付着やその住み分け(分布)など、一切がぐちゃぐちゃになるので、できるだけ掃除は避けましょう。
飼育水でワタを軽くもんだぐらいだと、硝化細菌の数自体は洗浄後も足りているので、その洗浄によるダメージが分かりにくいですが、バクテリア全体の住み分けや定着などは、甚大な影響を受けているということを、容易に想像できると思います
ワタは、必ず入れるが、厚くしないこと、これが肝心です。
(最初にフィルターに付属してきたパッドは、以上の3種に追加して使ってもいいですが、うちでは要らなくなることが多いです)
結論;「エーハイサブストラット」と、「ソイル」と、化繊のワタ、の3種の組み合わせがお勧め!
ただし、ワタは薄く入れること。ソイルは消耗品です。
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