フィルターの立ち上げ方 00.12.09


<新規立ち上げの水槽>


 まったく新しく立ち上げる場合、私のお勧めの手順は、

1. フィルター内には、最初からベースとなる濾材・(水質調整のための濾材)・少量の化繊のワタの3つをセットしておく。

2. セット後50日間くらいの亜硝酸が検出される期間は、水の流れの良いところ(フィルター内でも水槽内でもよい)に活性炭を入れて、不要・有害な物質を吸着させる。この活性炭は、最初は2日に1回は取換え、徐々に間隔を長くしていく。

3. 亜硝酸が検出されなくなったら、活性炭を取り除き、フィルターだけにする。

となります。



<バクテリアの移殖>

 新しくフィルターをセットする場合、最も安上がりで失敗が少なく、効果的なのは、「すでに調子よく維持されている水槽のバクテリアをもらってくること」です。
 友人の水槽でも、ショップのディスプレイ水槽でも良いです。その水槽の、底床に溜まった魚の糞・底砂を掃除した泥水・濾材をゆすいだ汚水・ワタを絞った泥水、のどれかをもらってきましょう。そのきったなーい水が、高価なバクテリア添加剤よりも、ずっと価値のあるものなのです。
 但し、その元水槽に、病気が蔓延していないことを確認するのは当然です! また、その泥水さえくれないようなショップとは即、お別れしましょう。

 その汚い水を持って帰ってくるときは、たくさん空気を混ぜながら持って帰ります。袋に半分ぐらい入れて、ばしゃばしゃ振りながら帰ると、酸欠でバクテリアが死ななくて済みます。保温にも気をつけると、もっと良いです。

 帰ってきたら、その汚水に、ためらわずに新しい濾材をどっぷりと浸けてからセットします。底床の砂にも混ぜると良いです。この汚水を、「ああ、これぞ水槽の宝!」と心底思えるようになったら、立派なアクアリストです(^^)。
 何百種類か何千種類か分かりませんが、新しい環境に合わないバクテリアは死に、合ったバクテリアが増殖し、濾材の表面を奪い合って、バクテリアの生態系が出来あがります。
 まったく何も添加しないところから立ち上げた場合に比べて、3分の1から2分の1ぐらいの短い期間でうまく立ち上がるはずです。

 ちなみに、市販のバクテリアを、うちでもいろいろ試してみました。結果、若干の効果は見られました。水槽の中で、しばらく生きているけれど、すぐに死んでしまうのでしょうか、しばらくすると、効果が無くなることが多いです。使い続けることが前提の設計になっているのかもしれません。何も無いよりはマシ、といったぐらいの印象です。
 ただし、まったくといっていいほど効果の無い商品もありました。

結論;

1.病原菌の蔓延していない、すでに立ち上がっている水槽から、汚い水をもらう。

2.酸欠と保温に注意して持ち帰り、濾材と底砂は、これに浸してからセットする。
  きたない水だけれど、これが貴重! 残った水も水槽に入れる。



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