「本を1冊もとう!」 00.12.10


 
 水草水槽の技術や知識を身につけるには、色々な方法があります。
 しかし、私の1番のお勧めの方法を、結論から言えば、

           「本を1冊持つ」 となります。

 最近はインターネットで大抵の情報が得られるし、ショップで教えてもらったり、雑誌でたくさんのことが学べます。
 しかし、大きな問題が1つあります。

 水草水槽のスタイルには色々あります。しかしながら、それぞれのスタイルに関する情報が、「このはなしは、このスタイルにあてはまる話です」と区別されるようなことはなく、いろんなスタイルに特有の話しまで、交じり合って存在しています。慣れれば、「あ、これは自分にはあてはまらない方法だな」とか、「ああ、これはあのスタイルをとっている人にだけ、いえることだな」と判断できるようになりますが、初めはなかなかわからないものです。

 結果、たとえば「フィルターの掃除をどのくらいの頻度でやればいいのか」といった単純な疑問に対しても、「うちでは、まずやりません」、「2ヶ月に1度くらいでやります」、「濾材が詰まってきたらやりましょう」などと、バラバラの答えが出てきて、余計に頭が混乱してしまいます。
 このような情報の錯綜の問題は、そう簡単に克服できるものではありません。したがって、「本を1冊もつ」ことをお勧めするわけです。

 ところで、本を買うとなると、1冊2,800円程度、安くても1,300円くらいはかかります。
 けれど、「本を1冊持つ」ことで得られるメリットは、本代以上にあります。
 たとえば、

1.一つの立場から書かれているので、内容に矛盾が無く、頭が混乱しない

2.イラストが豊富で、水質などの難しい話もよくわかる

3.写真がついているので、魚の種類をおぼえられる

4.いつでも簡単に開けるので、知識が得やすい=何度でも気楽に読み直せる

5.飼育方法はもちろん、原産地から病気の治療方法まで、必要な知識が一通り載っている

 結果として、魚や水草を死なせずにすみ、無駄な殺生も無く、しかも安く上がることになります。
 ぜひ、愛用の「1冊」を持ちましょう!



 ところで、上述のように、メリットの多い「本」ですが、デメリットもあります

1.古い情報が含まれているものもある

2.スポンサーであるメーカーなどに配慮して、正直に書けない部分もある

3.同様に、自作できる器具などを紹介しにくい

4.不正確な記述も含まれている

 したがって、完全な本は存在しないものと割り切って、そのデメリットを補う方向を考えるべきです。
 具体的には、いろいろなホームページを見ることで、最新の情報と、いろんな商品の使用感、自作の方法など、追加の情報を仕入れるのがよいと思います。

 他に、月刊誌からは、新種の草や魚を知ったり、新製品発売の情報、プロのレイアウト作品の写真などを得ることができます。

 そして、このようなホームページや月刊誌で情報を補ったあと、さらに自分の好みの分野についての詳しい本(たとえば「水草の楽しみ方」「卵生メダカの飼い方」など)をそろえる、というように、情報の獲得を3段階に分けて考えるのが良いと思います。



<入門本の選択>

 熱帯魚ショップで売られている本は、書店にある本よりも若干、値ははりますが、だいたいどれも良い本です。2,800円ぐらいだせば、一般的な魚種・草種のカタログもついた網羅的な本が手に入ります。
 店員さんに「入門用に良い物はどれか?」と尋ねれば、選んでもらえるでしょう。

 一般の書店にあるのは、1,000円から1,800円くらいですが、その内容は玉石混交です。巻末を見て、最近初版がでたものなら、まあ大丈夫ですが、中には本の表紙だけを新しくした情報の古い本もあるので要注意です。
 書店本の中から私のお勧めの本を1つ挙げるとすれば、
「熱帯魚&水草 美しい水槽レイアウト」白石光 新星出版社出版社1,460円が良いかと思います。


<本を読むときの注意>

 「記事の内容を過信してはだめ」!

 「専門の本なんだから、内容に間違いがあるはずがない」と思う方が普通だと思います。それが、ハードカバーの立派な装丁の本だと、信憑性もまして当然です。でも、残念ながら、素人の私が見てもおかしなことが書かれていることがときどきあります。
 書かれた当時は常識・定説であったことも、今になってみてみれば「おかしなこと」になっている事柄は仕方がないことだと思います。ただ、明らかに他の本からの「パクリ」の記事があったりもして、それが、その元の記事の内容もおかしいのに、さらに、それを不正確に理解してパクってたりしてたり・・・・。そんな「トホホ」なこともあるので、注意が必要です。
 でも、そんなことがあるにしても、本は、他の情報源に比べて格段に信頼性が高いです。過信しないように気を付けながらも、情報源の幹として利用することをお勧めします。

 アクアリストが増えれば、本も良いものがもっと増えるはずです。未来は明るい!

 



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