底床・・・総論
 


00.12.12 02.04.22デザイン変更


 

 底床の素材は水槽内の水質を左右するため、最初に底床の選定で失敗すると、あとの水質調整でたいへんな苦労をすることになります。

 したがって、水槽をセットするときには、

(1)まず、その水槽で実現する飼育スタイルを決め(「●水草水槽のいろいろなスタイルを知ろう」をご参照ください)、

(2)次に、そのスタイルに要求される水質を調べ、

(3)その次に、その水質を作り出し易い底床素材を選ぶ、

という順で行います。

 例えば、(1)トニナなどの南米の水草をたくさん植え、アピストグラマを殖やしたい、と考えた場合、(2)必要な水質は、弱酸性の軟水で、腐植酸を含むものがふさわしいことがわかります。(3)そこで、その水質を作り出すのにふさわしい底床を選んだ場合、濾材選びと同様、水質に影響を与えにくいものをベースに選ぶことがポイントです。
 また、自分の目指す水質にしてくれる機能のある、ソイルのようなものも、副次的に使うと便利です。
 別の言い方をすれば、自分が弱酸性を目指しているのにアルカリ性に傾くような底砂を選ぶようなことをしてしまってはいけない、ということです。
 
 この点で、水質に影響を与えにくいものをベースにしておけば、あとで、水を容易に自分の必要とする水質にできるため、失敗が無いと言えます。もし、若干アルカリ性に傾けたいと思えば、サンゴ砂などを濾過槽に加えればよいし、弱酸性にしたいと思えばソイルなどを加えればよいわけです。

 一番多い失敗は、「南米産の弱酸性を好む水草を植えようとしたら、最初にセットした砂が水をアルカリ性に傾ける貝殻などを含んでいるものだった」、というものです。このような砂を最初に敷いてしまうと、あとから水質を弱酸性にもっていくのは、至難の技となってしまいます。
 また、逆に、弱アルカリ性を好む水草を入れようとしている水槽に、水を弱酸性にする効果があるソイルを敷いてしまっていた場合も、致命的となります。

 底砂選びは、育成の「鍵」となるところですから、以上の点をよく踏まえて、慎重に決定しましょう。


 ちなみに、一般に底床に使う素材を「砂」と呼ぶことが多いですが、正確には、
・粒の直径が2ミリ超は、「れき」
・0.06〜2ミリが、「砂」
・0.06ミリ未満が、「泥」  ですので、
 大磯砂の「中目=1分」は「れき」、「細目=7厘」だと「砂」あたりに該当します。ソイルはもちろん「泥」に分類されることになります。



大磯砂などの海産砂
長所; 何度でも使える、比重が大きいので草が植え易い、黒色のものは生体の色が映える、安価、手に入り易い、底床掃除がし易い
短所; 水質をアルカリに傾ける貝殻などが含まれていることが多い、使う前に洗浄や貝殻除去などがめんどう、自然物なので品質にばらつきがある

ソイル(土)
長所; 弱酸性の水質が自動的に出来あがる、手に入り易い、色にバリエーションがある、洗わずにそのまま使える、基本的に底床掃除は要らない(使い捨て)、水草の根張りが良い、微生物が繁殖し易い
短所; 寿命が比較的短い、寿命後入れ換えるのがめんどう、捨て場所に困る、比重が小さいので舞い上がり易くフィルターに入ることが多い

川・山・田で採取の砂
長所; 水質を変えないものが多い、粒が小さく比重が大きいので小型水槽に使い易い、水草が植え易い、明るい色のものも多い、寿命は長い
短所; 水質をアルカリにする岩が原料となっていいるものがあるので注意が要る、明るい色で生体の色が映えないことがある、底床掃除の際に水とともに吸い出してしまいがち、高価なものもある

焼結セラミック
長所; 水質を変えないものが多い、水質を変える機能をもつものもある、色のバリエーションが多い、サイズのバリエーションも多い、寿命は中ぐらい
短所; 比重の小さいものが多いので水草が植わりにくい、粒が角張っているものが多い

 

結論

底床は、濾材とならんで、水作りの要。
どれを選ぶかについては、意見の対立がはげしいので、結論を出すのは難しい。
ちなみに、私はカルシウム分を除去した大磯砂を中心に、水槽によってソイルやセラミックも使っています。

 

 



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