Pseudotocinclus sp.

 

オトシンクルス(オトキンクルス) ネグロ

 成長しても4センチぐらいにしからならず、かつ、藻類をよく食べるので、水草水槽のコケ取りメンバーとしてよく用いられるオトシンの一種です。
 オトシンの中では、ヴェスティートゥス、ヴィッタートゥスに次いでポピュラーな種類ですが、地域によってはほとんど入荷が無いと聞いています。私の住む関西地域でも、このネグロが入荷しているお店は限られていて、そのお店にはいつもおいてあっても、その他のお店で見かけることはほとんどありません。一方で、ある地域では、どこのお店にも常時おいてあるそうです。どうも、入荷のルートが偏っているようです。

 値段はヴェスティートゥス、ヴィッタートゥスに比べるとやや高く、1.5倍〜2倍くらいするのが普通です。安いお店で1匹200円、高いお店で500円ぐらいです。

 このネグロの良いところは2つあります。
 1つは、「よくコケ(藻類)を食べる」ところです。
 ヴェスティートゥスなんかに比べて、よく働きます。 と言っても、比較して大量に食べるわけではなく(身体が大きいわけではないので当然)、硬くてヴェスティートゥスがあまり取らないコケも、ネグロなら比較的よく取ってくれるのです。
 2つ目は、「よく殖える」点です。ヴェスティートゥス、ヴィッタートゥスでも、きちんと隔離して弱酸性のブラックウォーターで、タンパク質の多い餌をしっかり与えて飼っていれば、殖やすことはできます。しかし、これらに比べるとネグロはずっと殖え易く、ふだんからカラシンなどの餌をしばしば横取りして育っているような個体なら、普通に水槽の中に放しておくだけで、繁殖に成功することがあります。そして、もちろん、あえて別水槽に隔離して繁殖を狙えば、より容易に殖やすことができます。

 オトシンは、コケを取らせることが主目的で、「使い捨て」にされる傾向があるように思うので、この繁殖し易いネグロを飼って、「殖やしつつ働いてもらう」という方法を、私は強くお勧めしたいです。

 コケ取り要員として働かせる場合、発生するコケの量などにもよりますが、60センチ水槽にだいたい2匹ぐらいが適当です。あまりたくさん入れてしまうと、コケが減った時点で次々に餓死してしまいます。

 オスとメスの区別は簡単で、メスはオスより2回りぐらい大きくなります。買う時は、大きい個体と小さい個体を混ぜてもらいましょう。 また、オスの体型を戦闘機のスマートな感じに例えると、メスの体型は四角張ってずんぐりした輸送機といった感じです。上にある画像の個体はオスです。

 ちなみに、ネグロの目は金色をしていて、よく見ると、ちょっとコワイです。さあ、じ〜っと見てみましょう!

  

  


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