オトシンクルスがひっつくしくみ


マルミスブタにひっついているオトシン

 

 オトシンが水槽の前面ガラスにひっついている姿は、観賞面からはあまり良いとは言えません。白い腹とお尻からブリブリ出てくる緑色の糞を見せられて嬉しいこともないでしょう。

 しかし、葉っぱやパイプにひっついて目をクルクルさせている様子は別です。たいへん可愛いです!ジーっとしてたかと思うと、ぴょこぴょこっと尾っぽを振って移動し、コシコシとコケを食べてはピュッと移動し、目をクリクリさせる・・・。単にコケ取り要員として入れただけなのに、知らず知らずのうちに情が移り、いつのまにか、オトシンごときに「ちゃん」をつけて呼んでいたりするのは、私だけではないはずです。

 「オトシンちゃん、オトシンちゃん〜、今日はどこにいるのかなぁ〜?」

 

 ・・・ まったくのバカです。

 

 さて、今回は、そんなオトシン好きの方にお送りする、オトシンの「ひっつくしくみ」についての観察です。色んなところに色んな姿勢でひっついているのを何枚も写真に撮ってみました。
 ただし、普通の人にとっては、ど〜でもいいような内容です。

  まずは、ネグロちゃん・・もとい!ネグロのひっついている姿です。
  こちらはヴェスティートゥスらしき個体です。口でガラスに吸いついていて、腹ビレはガラスにつっかえ棒のように立てています。
  この個体だと様子がよくわかります。ガラスにひっついているのは、口で吸いついているからで、腹ビレは使っていません。
  こちらは腹ビレだけでバランスを取っている個体です。
体操の鞍馬種目でオリンピックを目指しているようです。
  この個体も腹ビレだけで身体を支えています。
こちらは“鉄棒”で「世界」を目指しているとみて間違いないでしょう。
  こちらは併用型。口で軽く水草の表面を挟みながら、腹ビレで安定感を出しています。
なぜか、「ぴとっ!」という効果音をつけてやりたくなる姿です。

 こうやって、見てみると、オトシンがひっつく方法には3種類あることがわかります。

 1つは、口で吸いつく方法です。ガラス面には、これだけでひっついていると考えてよいでしょう。
 2つ目は、口で挟み込む方法です。口は吸いつくだけでなく、小さなものや細いもの・表面のざらざらした部分などを軽く挟むように使えるようです。
 3つ目は、腹ビレで挟みこむ方法です。

 オトシンがひっつくときは、この3つの方法のいずれか、またはその組み合わせを用いているようです。

01.10.08

 


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