Nannostomus beckfordi

ナノストムス ベックフォルディ
(孵化後約5週間)

 
 ベックフォルディ(ベックフォードペンシル)の稚魚です。
 ベックフォルディもマジナタスと同じぐらい殖やすのが簡単な魚だと思います。その上コケ取りの効果もけっこう期待できるので、水草水槽の住人として私のお勧めの1つです。

 本当は卵の画像から話しを始められれば良いのですが、ベックフォルディの卵は底床の隙間に落ち込むようにばらまかれるので、まだ撮影に成功していません。左の画像は産卵行動が見られてから1週間経った頃の画像です。すなわち孵化後4日ぐらい経っていると思われます(画像中央)。
 アップにすると、こんな感じです。
 稚魚から成魚へ歩留まりよく育てたい場合は、餌になる植物プランクトンがたっぷりの水(=青水=グリーンウォーター)を用意し、そこへ敷いておいた底床に卵を産ませると、あとあとうまくいきます。
 2週間ぐらい経った頃の姿です。

 ヘロヘロ。

 個体差が大きいですが3週間を過ぎたあたりから尻尾に模様が出てくるものが多いです。
 水草水槽の底床表面にある活性の高い浮泥を取り出し、そこで卵を産ませても効率良く仔を採ることができます。この場合、やや歩留まりは下がりますが、動物性のプランクトンが多く摂取できるためか成長が早いです。グリーンウォーターで孵した稚魚も、途中から浮泥の多い水槽へ移した方が良いでしょう。
 こちらは、普通の水草水槽の中で勝手に殖えている稚魚たちです。昼間は水槽の隅に隠れていて見付けにくいですが、消灯後は眠っているので、突然照明を点けると、何匹もがびっくりしてピュピュピュッと動き回るのを観察できます。
 アップにするとこんな姿をしています。これでだいたい孵化後4週間から6週間ぐらいだと思います。

 普通の水草水槽で自然に殖えるのに任せると、稚魚はたくさん産まれても成魚にまで育つものは少なくなります。うちでは1腹から1匹か2匹しか生き残りません。

 孵化後7週目、8週目になってくると色も濃くなり、昼間でも水槽の前面に出てくるようになります。
 2ヶ月を越えたあたりから、水面近くまで泳ぎ出てくる連中が見られるようになります。但しそのタイミングは、同じ水槽に飼育されている他の魚種の大きさにも左右されます。口の大きな魚が居る水槽では食べられてしまう恐れがあるからでしょうか、もっと大きくならないと出てきません。
 2ヶ月半も経つと、柄にしても体型にしても親とあまり変わらなくなります。色が地味なままのところが違うだけでしょう。
 あとは、美しい婚姻色を出してくれるのを楽しみに成熟を待つことになります。

02.11.12

 


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